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五月が丘の家

住宅新築

敷地は西向きの団地の一区画に有り、東側を2m程の擁壁の上に建つ住宅で、南側を3階建ての独身寮で囲まれ、日照的に非常に厳しい立地であった。その様な条件の中、施主からは西日対策と日当りの確保を強く要望された。

そこで、計画の取り掛かりとして、接道する西側は強い西日対策として閉じることとし、この敷地で唯一そそぐ午前中の南東からの光を最大限有効に生活に取り込めることの二点を軸に考えた。要望の中で最も採光を必要とされたLDKと子供室を2階に配置し、南・東側の敷地境界線から可能な限りの「ひき」を確保するように配置した。採光の為に設けた「ひき」は、擁壁や植栽に囲まれた落ち着いた中庭となった。

主要諸室は中庭に面し開口部をもち、中庭に立つとすべての部屋が一望できる。また中庭を中心として視線の抜けが発生し、住宅のどこに居ても家族全体の様子が感じられる家となった。また1階はデッキを介して回遊性を持つプランとなっており、狭いながらも奥行きの在る平面計画となった。1,2階共に風が通り抜け、外に対して開きながらもプライベートの確保できる、明るく気持ちのいい家となった。